近年、SNSやテレビでも話題になっている「マンジャロ(チルゼパチド)」。
糖尿病治療薬として開発されたこの薬が、体重減少効果を持つことから“ダイエット薬”として注目を集めています。
しかし、「手軽に痩せられる薬」としてのイメージだけが先行し、
その背景やリスクを十分に理解せずに使われるケースも増えています。
本記事では、マンジャロを検討する前に知っておきたい「おすすめできる理由」と「注意すべき点」を整理して解説します。
マンジャロは、正式な臨床試験(治験)を経て承認された医薬品です。マンジャロは糖尿病の薬としての承認しかありませんが、同成分の「ゼップバウンド」は肥満症の治療薬として承認されています。
SNSなどで流通している海外製の安価なダイエットサプリや注射とは異なり、
安全性・有効性が科学的に確認されています。
「少しでも安全な方法で痩せたい」という方にとって、
信頼性の高い“医療用の選択肢”であることは確かです。
近年、日本の製薬会社の財務状況は厳しい状態が続いています。
薬価(薬の価格)は国が定めてしまうため、インフレや円安による原価高騰を売り値に反映することができないのです。
その結果、医療に不可欠な薬が安定供給できないという課題が生じています。先進国にも関わらず、抗生剤、鎮静薬、麻酔薬といった薬の不足が3年間以上断続的に続いているのです。
マンジャロのように需要の高い薬が流通することで、
製薬会社の経営が安定し、結果的に社会全体で薬の供給が維持されやすくなるという側面もあります。
短期間で大きな体重減少が見込める一方で、中止後のリバウンド率が高いというデータがあります。
たとえば「SURMOUNT-4」の臨床研究では、マンジャロを使用した被験者は平均20%の体重減少を達成しましたが、
薬をやめた1年後には14%が再び戻ったと報告されています。
また、同じGLP-1系薬剤の研究でも、
中止後に「減った体重の約3分の2が戻った」との結果が出ています。
つまり、使っている間は効果があるが、やめた途端に戻る可能性が高いということです。
マンジャロは定期的な注射で効果を維持します。
継続が前提となるため、費用がかさむほか、体調面の変化(吐き気・便秘など)に注意が必要です。
「短期間で痩せる」というよりも、“服薬を続けている間だけ維持できる”という点を理解しておく必要があります。
マンジャロは「食欲を抑える」ことで体重を減らす薬です。
そのため、脂肪細胞そのものを減らすわけではありません。
服用をやめると食欲が戻り、体重も増えやすくなります。
これに対して脂肪吸引は、脂肪細胞そのものを物理的に除去する施術です。
一度除去した脂肪細胞は再生しないため、リバウンドしにくく、
見た目の変化もより明確に実感できます。
また、マンジャロが「体重計の数字を減らす」治療であるのに対し、
脂肪吸引は「体のラインを整える」施術です。
単に体重を減らすだけでなく、理想の体型をデザインできるという点が大きな違いです。
マンジャロは、確かに体重を落とす効果のある薬です。
ただし、その効果は使用中に限られ、やめた後に体重が戻るリスクが高いという現実もあります。
一方で、脂肪吸引は脂肪細胞を根本から除去し、リバウンドしにくい体を作る治療です。
体重だけでなく、見た目のバランスやラインを重視する方には、
より確実な方法といえるでしょう。
「薬で減らすか、脂肪を整えるか」――。
目的に合わせて最適な治療法を選ぶことが、満足のいく結果への第一歩です。
当院では、医療ダイエットから脂肪吸引まで、患者さま一人ひとりの目的に合わせた最適なプランをご提案しています。
気になる方は、ぜひ一度カウンセリングにお越しください。
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