脂肪冷却治療(クールスカルプティングなど)は、メスを使わずに痩身ができる人気の治療ですが、実は「逆に脂肪が増えてしまう」という副作用があることをご存知でしょうか。
この記事では、逆説的脂肪過形成(PAH)について、その正体と最新の治療法をわかりやすく解説します。
本来、脂肪を凍らせて減らすはずの治療部位が、数ヶ月後にはっきりとした「塊」のように膨らんでしまうことがあります。これが「逆説的脂肪過形成(PAH)」です。
一度死んだはずの脂肪が、まるでゾンビのように増殖して定着してしまうことから、本記事では「ゾンビ脂肪」と呼び解説します。
今回、そのゾンビ脂肪がついてしまった患者様を当院で治療しました。
原因は完全には解明されていませんが、冷やされた刺激によって脂肪細胞の「再生・肥大スイッチ」が誤って入ってしまうためだと考えられています。
お腹(腹部):最も発生頻度が高い場所です。
脇肉(ブラファット):お腹の次に報告が多い部位です。
以前は「0.005%(2万人に1人)」という極めて稀な副作用とされていました。しかし、最新の報告では約0.4%(250人に1人)程度というデータもあり、現場の感覚としては「時々見かける」決して珍しくない症状になりつつあります。
世界的なスーパーモデル、リンダ・エヴァンジェリスタさんもこの「ゾンビ脂肪」に悩み、メーカーに対して約80億円の損害賠償を求める裁判を起こしたことで大きな話題となりました。
見た目はただの脂肪に見えますが、顕微鏡で見るとその構造は全くの別物です。
ただ太ったのではなく、「構造が作り変えられた特殊な組織」に変化しているため、ダイエットやマッサージで落とすことは不可能です。
残念ながら、ゾンビ脂肪は放っておいても治りません。また、「増えたならもう一度冷やせばいい」と冷却治療を繰り返すのは厳禁です。さらに症状を悪化させる恐れがあります。
根本的な解決策は、物理的に取り除く「脂肪吸引」のみとなります。
ゾンビ脂肪は組織が非常に硬く(線維化)、通常の脂肪吸引では太刀打ちできません。当院では以下のステップで治療を行っています。
通常の脂肪吸引に比べて2倍以上の時間を要するほど特殊な手術となるため、ドクターの技術力が問われます。
脂肪冷却治療を受けてから数ヶ月後、「逆に盛り上がってきた?」と感じたら、それは「ゾンビ脂肪」かもしれません。
もし疑いがある場合は、すぐに冷却治療を中止し、脂肪吸引の経験が豊富なクリニックへ相談することをお勧めします。
当院では、この難しい「ゾンビ脂肪」の修正治療にも対応しておりますので、一人で悩まずにお気軽にご相談ください。
[ 監修 ]
脂肪吸引ラボトウキョウ 院長
渓 智司
形成外科出身。これまで4000症例を超える脂肪吸引・豊胸手術を執刀(※2021年9月〜2025年12月)。従来の美容クリニックで問題となりがちな、料金体系、安全性、アフターフォローを刷新した次世代のクリニックとして「脂肪吸引ラボトウキョウ」を開院。